このクラスでは、充分に運転を楽しめるといえる新型iX2。プレミアム・ブランドらしい特別感があり、ファミリー・クロスオーバーへ適う快適性や実用性を得ている。スタイリングも重視する人には、訴求力の高い新モデルといえるだろう。
ただし、見た目ほどスポーティというわけではない。実際のところ、ドライビング体験はiX1に似ている。クーペ風のシルエットに、約7000ポンド(約132万円)の価値があると感じるかどうかは、人それぞれだ。
ツインモーターのiX2 xドライブ30は、必要以上にパワフルに感じられた。シングルモーターの方が、航続距離は僅かに長く、英国価格は5830ポンド(約110万円)もお手頃。今回は試乗できなかったが、iX2 eドライブ20の方が一層訴求力は高いかもしれない。
熟成されたフラットツインの出来栄えは、あらためて素晴らしいと感じさせるものである。
ショックマウント方法の変更もあり、従来モデルよりもあきらかに乗り心地が良くなっているし、シートもスタイリングだけを考えた作りとはなっていないところはさすが旅バイクを作り慣れているBMWといったところだ。
その他、よく効くブレーキやそれをサポートするABS、トラクションコントロールなど、しっかりと現代の高水準なライダーアシスト機能が備わっている。
乗っているだけで豊かな時間が流れていく。これこそが、このマシンがもっとも大切にしているパートであるだろう。伝統を受け継ぎつつ、末永く作って欲しいと願うばかりなのであった。
カタログ上はフル充電から100km程度はEV走行が可能で、最初はスーッと静かにかつ、巨人の手で押さされたように進む。だがひと度アクセルを深く踏むと、4.4ℓV8エンジンが暴力的に目覚め、刺激的なサウンドと共にヤバい加速を見せる。快適でスムーズで視界高くて図体バカデカくて、めちゃ速いのだ。
マジメな日本人エンジニアには絶対作れない「ワルさ」「ゴージャスさ」「威圧感」の塊。
きっとこの複雑化したゲンダイ社会には、こういう歌舞伎な高級SUVを欲しがるお金持ちが存在するのだろう。
初代から成長したボディサイズのおかげで、車内空間には余裕が生まれた。特にリアシート側は、全方向で大きくなっている。荷室容量は、トノカバー下で560L。40:20:40に分割できる背もたれを倒せば、 1470Lへ拡大する。
2代目へモデルチェンジしたX2 M35iは、印象的な動力性能と操縦性を叶えた、完成度の高い小さなクロスオーバーだ。GLA 35の好敵手として不足ない走りを披露する。初代から車内は広くなり、実用性も向上。従来以上に使えるモデルになっている。
ただし、Mのイニシャルへ期待する、高水準のフィードバックが生むコミュニケーション力までは得ていない。能力は確実に高いものの、もう少し刺激的でも良いように思う。
「クロスオーバー」改め「カントリーマン」として世代交代を果たした、MINIブランドのSUVモデル。従来のイメージとは異なる、その乗り味とは? 新たに設定されたフル電動モデルと合わせて、ポルトガルからリポートする。
気に入っているトコロ
知っている人ならわかる:他に例がないといえる水準で、落ち着いた見た目と秀でた能力が共存している。控えめなアルピナのロゴが、特別感を静かに主張している。
気に入らないトコロ
もう少し差別化されてもいい:アルピナ独自のディーゼルエンジンは、335dとの価格差に見合う違いを感じにくい。ステアリングホイールの感触にも、もう少しを求めたい。